≪ 繋がれた アンドロメダ を解放する ペルセウス の絵画 ≫

『 見るのがチョット恥ずかしい芸術絵画 (2)』
< Andromeda and Perseus >
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約80点の画像を掲載、読込みに時間が掛かります。 

■ ギリシャ神話 : エチオペアの王妃カシオペアが、「 自分の娘アンドロメダは、海のニンフ達より美しい 」 と自慢した為に、海神ポセイドンの怒りをさそい、その結果、アンドロメダを海の怪獣に捧げざるを得なくなった。
海辺の岩に鎖で繋がれたアンドロメダを怪獣が餌食にする。

そこに、メデューサを退治したペルセウスが、直接見ると石になってしまうという メデューサの顔を持って現れる。 アンドロメダを妻にするという条件で、ペルセウスは怪獣と戦う。
メデューサの顔を向けて、怪獣を石にしてしまい、アンドロメダを救出するというテーマを絵にしたものである。

■ ルーベンス、レンブラント、ヴァサーリ、カラッチ、ティティアーノ、ティエポロ、ルドン、モロー、ダリ と各時代の巨匠達がこぞって描いている。
全ての巨匠が、アンドロメダを繋がれた裸身で描いている為に、、(裸身を描くのが目的で、その口実に神話を利用するのだから、裸身は当然なのだが、、) 美術館のこの絵の前で立ち止っているのはチョッと躊躇してしまう。

この絵のあまりの多さにデータが再確認できないモノもあり、絶対ではなく単なる参考の域をでない。

ポンペイの壁画

↑ メデューサの首を持つペルセウス ↑


ポンペイの壁画

↑ 広い情景を描く ↑


ポンペイの壁画や古代ギリシャの壷と
このテーマは、時代を問わず需要があったらしい。

数多く見ていると、画家がどこに主題を捕らえようとしているのかが判って来る。

1)広い空間の中で登場人物を多くし、救出の情景

2)鎖に繋がれたアンドロメダの精神を描く
  苦悩、恐怖、羞恥、諦め、、、、

3)ペルセウスと怪獣の戦いにも重点を置く

4))解放の栄光、喜び

5)素直にエロチックを、、、





何を中心にどのように描くかは、画家の実力と共に
時代の許容度、画家の品格・プライド、お金を出す側の需要、、と、絵の背景を想像してみると少しは暇つぶしになる。
芸術絵画と言えども、直感的に感じれば良いのだ。  直ぐに飽きてしまう絵と、見る度に安堵感を得る絵と、、見る人の生き方や経験に応じて変わってくる。  何にどう反応するかで、、、、、

容量の大きいページなので読込みに時間がかかる。 始めの方に長い文章を置いて、読んでいる間に画像を読み込ませようという算段なので、希薄な文章を書かねばならない。
通信速度の遅い状況にある人は、ここで、コーヒブレイクかトイレ休憩をお勧めする。
読み込んだ後、見るのも大変だ。 画像が約80点あるのだから、、、

このページを作ろうとした時は、手持ちの画像数も少なかった。
手持ちの画集から探している内は良かったのだが、アチコチに首を突っ込んでいると、在るは在るは、、、せっかく集めたものを省くのは勿体ない。  初めて見る刺激的な絵も結構出てきたのだから。

これでも、サイズを縮小し、圧縮率を高め、と何度も画像に手を加えた。
本編、続編と分ける事も考えたが、一覧性というのが重要な要素である。
サムネイル画像を並べて、その都度クリックして大画像を表示するのは、面倒で興ざめする。
一覧で比較する事で様々な事が判って来るから、、一覧性とは重要な事なのである。


Peter Paul Rubens (1577-1640)
1638年、Berlin
189 x 94 cm



Peter Paul Rubens
1639年、Los Angeles,Getty Museum
200 x 130 cm



Berlin と Losの絵は左手中央のペルセウスが相違
↓ 上の Berlin 蔵のUP画像
大粒の涙が描かれている



↓ Peter Paul Rubens
ca. 1640年、Prado
265 x 160 cm



↓ Peter Paul Rubens
ca. 1620年、Berlin
100 x 138.5 cm

右のモノと共に、精気が感じられない


↓ Peter Paul Rubens
ca. 1622年、Ermitage
99.5 x 139 cm

下書きだとしても、、見る者には不満である



63年の生涯で、3000点とも言われる彼の作品の多さは、本人、共作、アトリエ作品と多様であるが、、
<アンドロメダとペルセウス>も数多く、品質レベルも多様である。
彼の何れの作品も、人間はオバチャン肌で共通している。
美神を描いても、タブタブのオバチャン肌なんだから、、、、

↓ 2003-4 ベルリン訪問時の情景。   Cesari の作品も撮っていた ↓


* 年代の前の ca. は About の略、 名前の後の aka は通称 ( also known as )






次の2点は、アンドロメダの絵画で初めて刺激を受けた記念すべき作品。
2003年 春に神戸私立博物館の「ヴィクトリアン・ヌード展」で対面
ルーベンス等とは違い、アンドロメダをただ単にヌードとして利用しているだけ、、
それが、(それ故)印象深い体験となってしまった。


↑ Arthur Hill (1853-1893)
1876年、Russell-Cotes,Bournemouth
89.5 x 43.8 cm



↑ Edward John Poynter (1836-1919)
1869年、Tate Gallery
51 x 358.8 cm






↑ Annibale Carracci (1560-1609)
ca. 1605年、Rome,Palais Farnese
ローマには5〜6度行っているのだが、未だに此処に寄る順番が廻ってこない。





↑ Giuseppe Cesari , aka Cavalier d'Arpino
(1568-1640)
1610年、Rhodes Island USA
69 x 51 cm




↑ Giuseppe Cesari
52 x 28 cm ,Berlin


↓ Giuseppe Cesari
22 x 16 cm
1592年、 oil on lapis lazuli



↓ Pietro Mazzucchelli , aka Il Morazzone
( 1571-1626)
ca. 1600-1626年







↑ Piero di Cosimo ( 1461-1521)
1515年、Fllorence, Offices
70 x 113 cm
おおらかで牧歌的、単なる風景画のようにも思えてしまう。



上の部分拡大画像





↑ Giorgo Vasari ( 1511-1574)
1570年、Florencs Palazzo Vecchio
127 X 109 cm




↑ Paolo Veronese ( 1528-1588)
1584年



↓ Vecellio Tiziano
ca. 1553-1559年、London Wallacs Collection
179 x 197 cm



↓ Jan Bruegel ( 1568-1625)





↑ Carlo Sraceni ( 1579-1620)
1600年、Dijon, Musee des Beaux-Arts
26 x 22 cm




↑ Rembrandt Harmenszoon van Rijin( 1606-1669)
ca. 1631年、Haag, Mauritshuis
35 x 25 cm
小さな絵と言えども、幽霊みたいで、、、
アンドロメダの内面を表すリアリティというのか、、


← Hendrick Goltzius ( 1558-1617)
1583年、New York

↓ Matham ( 1571-1631)
1597年



Giulio Romano ( 1499-1546) →
ca. 1511-18年、Hanburg Kunsthalle

↓ Polidoro Caravaggio ( ca. 1490-1543)
1525年、Louvre, Cabinet Dessin









← 中世の作品 ↓
↓ Guido Reni
( 1575-1642)





↑ Jacques Blanchard (1600-1638)
1630-1638年、
50 x 50 cm



Michael Lukas Leopold Willmann
( 1630-1706)
ca. 1695年、
Prague National Galley


↑ Anthony Van Dyck ( 1599-1641)
ca. 1637年、Los Angeles Museum
215.3 x 132.1 cm





ミニャール ↑ Pierre Mignard ( 1612-1695)  1679年、150 x 198 cm ,Louvre

この大きな絵は、ルーブルでも目立っている。 親近感を感じたものだ。







→→
上の部分拡大


←←
Joachim Wtewael
( 1566-1638)
1611年
Louvre
180 x 150 cm










← Francois Lemoyne (1688-1737)
1723年、London Wallace Collection
183 cm x 149.7 cm


↓ Charles Antoine Coypel ( 1694-1752)
1727年、Louvre
131 x 196 cm






↓ さすが ティエポロらしく、天上に向かう爽快な場面を ↓
この人の手にかかると、全てがプラス面




← Giovanni Battista Tiepolo
( 1696-1770)
ca.1730年、Fric Collection,New York
51.8 x 40.6 cm


↓ Anton Raphael Mengs
( 1728-1779)
ca. 1777年、Hermitage
227 x 153 cm






↓ Jacopo Amigoni ( 1685-1752)
ca. 1730年、London
122 x 193 cm





↑ Benvenute Cellini ( 1500-1571)



↓ Domenico Guidi ( 1628-1701)
( ? Pierre Etienne Monnot ?)
1699年、New York Metropolitan






Johann Gottfried Schadow
( 1764-1850)
1786年、Bayonne,Musee Bonnat


Anonimo Napoletano
( 1750-1800)
Museo d'arte Costantino Barbella,Chieti








Jean Auguste-Dominique Ingres (1780-1867)
1819年、Louvre
147 x 190 cm

< アンジェリカを救い出すルッジェーロ >



Ingres
ca. 1819年、Detroit Institute of Art
19.6 x 16.1 cm




↑ アングルのこの有名な絵は ↑
<アンドロメダとペルセウス>ではない。
アリオスト著 「狂乱のオルランド」 が主題。


首の異常な形状は、
グランドオダリスクの肩と共に目立つ。
(この絵は神戸でも見たが、
何展だったかは記憶に無い)


アングルは最初、
アンドロメダを救出するペルセウスを
描こうとしたらしく
その下絵も残っている。










← William Etty ( 1787-1849)
1840年、London National Gallery
81 x 63 cm
↓ アモレットを救うブリトマート
1833年、Tate Gallery
90.8 x 66 cm

↑神戸のヴィクトリアンヌード展で見る



↓ 1867年、Paris,Musee G,Moreau
55 x 43 cm





← ↓ Gustave Moreau ( 1826-1898)
1870年、Bristol ,City Art Gallery
24 x 25 cm





↓  Gustave Moreau 1867年、個人蔵 Zurich




↓ Gstave Dore ( 1832-1883)
1869年、個人蔵
256.5 x 172.7 cm




↓ Eugene Delacroix (1798-1863)
1853年、Staatsgalerie Stuttgart
43.7 x 34.5 cm





↓ Theodore Chasseriau ( 1819-1856)
1840年、Louvre

↑ 鎖に繋ぐ場面を描くのは珍しい



↑ 1876年、Adelaide,Art Gallery of South Australia


← ↓ Sir Edward Burne-Jones ( 1833-1898)
↓ 1885年、Stuttgart, Staatsgalerie
The Rock of Doom



この時代辺りから表現が、自由になってくる。







↓ Frederic Leighton (1830-1896
1891年、Liverpool Walker Art Gallery
91 x 51 cm


↓ J.Benezur
1896年、

↓ Alexander Watson Mack
(1894-1988)



↓ Odilon Redon ( 1840-1916)
1889年、50 x 40 cm

ルドンは他にもペガサス関連の作品がある。



↓ William Washington Girard (1873-1931)
1900-31年、USA
35 x 40 cm







この辺りの絵は、器用な技術で描く
ムード的な商品絵画の類
← Luis Royo (1954- )

↓ Tamara de Lempicka
(1898-1980
1929年、個人蔵
99 x 65 cm


↓ Salvador Dali
(1904-1989)





↓ 1953年、Rome、Fondazione de Chirico
91 x 116 cm



←↓Giorgio de Chirico
(1888-1978)









↑ Julius Kronberg ( 1850-1921) 1918年、 Hallwyl Museun Stockholm,  730 x 557 cm








←↑
Jade Christina Green

空中を飛んでいるのが女性戦士で
岩に繋がれているのが男性、、と逆転

現代になると、いかなる表現も許容範囲なのだ。
ネット販売、キャッチセールス、呼込み販売、、
と そんな場で出会いそうな絵である。






←↓ Boris Valejo ( 1944- )
1988年、個人蔵






↑ Richard Frederic Lack ( 1928- ),  ca. 1980年、





↑ Arcimboldo, 1995年、
ここまでくると、アンドロメダ、ギリシャ神話はもう無関係だろう。
高級風俗店に派手に飾られているのが想像できる。 ナニまで描かれている。



 <繋がれたアンドロメダ>という主題は、
いつの世も興味のある、需要のあるオイシイ ギリシャ神話なんだろう。




■  まだまだ在るのだが、、限が無い。 疲れた〜。

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