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≪ 白鳥の湖 Swan Lake マハリナ vs ミハリチェンコ ≫

キーロフバレエ=ユリア・マハリナ   1990年公演
ボリショイバレエ=アラ・ミハリチェンコ 1989年公演

2014/02/08

  

↓ 2014年1月の時点で、私のDVDレコーダーで再生可能な バレエ Swan Lake  の映像一覧 ↓

Yulia Makhalina , キーロフ , 1990/12 , 1h 55m
Alla Mikhalchenko , ボリショイ , 1989/ , 2H07m
Ulyana Lopatkina , マリインスキー , 2006/05 , 2h 09m
Mariya Aleksandrova , ボリショイ , 2011/ , 2h05m
Kolegova ,マリインスキー , 2013/05 , 1h02m

Marie Claude Pietragalla , パリ,1992/ , 2h15m
Agnes Letestu , パリ , 2006
Svetlana Zakharova , スカラ座 , 2h12m
Polina Semionova , チューリッヒ オペラ , 2009/ , 2h 10m
上野水香, 東京バレエ , 2006/07, 2h06
Gillian Murphy, アメリカン バレエ シアター , 1h 53m
Anja Behrend ,April Ball, モンテカルロ , 2013/01 , 1h 35m
呉正丹 Uu Zhengdan , Acrobatic China 広州 , 1h25

全てを 性根を入れて観た訳ではないが、お気に入りで繰り返し観ているのは、、
そして、、他のバレエ作品の評価の基準となっているのが、 マハリナ と ミハリチェンコ であり、
ボリショイ and マリインスキー の ロシアバレエ最高!! と 毎晩 天国的な時間を満喫している。

■ Yulia Makhalina , キーロフ , 1990/12    ユリア・マハリナ  キーロフバレエ (マリインスキー)
1990年の録画なので、ハイビジョンに慣れた眼には、やや不満な鮮明度だが、
大型テレビでも、鑑賞には十分に堪え得るレベルである。

お城近くの庭園の場では、
フランスのロココ絵画・ブーシェのギリシャ神話の世界のように、、
優雅で華やかな背景・衣装に 上品なしなやかさそのものの踊り手達が舞う。
演奏も 典雅の極まりである。


庭園の踊りも、宮殿内の舞踏の広間の踊り手達の衣装も
軽やかに揺らぐ薄さで、胸元から腰に華やかな装飾を配置し、
足元に向けて淡くグラデーションする。
これらのデザインの結果、美しい脚の優雅な動きが一層魅力を増す。
回転すれば華やかに開き、ジャンプすればしなやかに揺らぐ。
美しい身体の洗練された動きがバレエの醍醐味!!
それを余す所なく見せてくれる衣装デザインである。

これは後のマリインスキー劇場でも踏襲されている。





湖の畔でオデットの登場。
マハリナの全身で醸し出す情感溢れる踊りに魅了される。



観る者には全くと言って良い程に、回転の正確さなどの技術点は意識させずに、、、身体は白鳥に変身させられていても、心は人間への執着する、、この切なさの情感が、
身体の中心から、肩 → 腕 → 手首 → 指先 へと うねりながら伝わっていく、、 など 踊りと情感が一体となっているように感じてしまう。
細すぎるプリンシパルが多い中、マハリナの身体は、、太ももなどは肉付きが良い。  これが反って人間的に身近に感じて感情移入してしまうのかも知れない。



ジークフリート王子と出会い、、
心が揺らぎながら次第に惹かれていく。
シットリと情感溢れる演奏と相まって、
ロマンチックな世界に浸りきる。
手脚を伸ばしきった瞬間の ’決めポーズ’ が全て決まっている。
"返し" "撥ね" のメリハリの明確さ、、観ていてとても居心地がよい。


中庸に流れていた音楽も、、ここぞと思える核心部分では
管楽器や、弦楽器ソロが、、情感一杯に演奏する。


宮殿内の舞踏の広間
スペインの踊り、ナポリの踊り、チャルダッシュ、マズルカと明るく軽快な踊りが続く。
ここでの衣装も、胸元は華やかな装飾で、足元に向けて軽やかにひらめく。
鮮やかな動きながら優雅・典雅と上質の時間が流れる。
(残念ながら 濃厚なロマンチックメロディのロシアの踊りは省略されている。)


王子を 誑かす オディール として登場、、、
妖艶さと積極さ、、、勢いのある動きに観る者の心も躍る。
湖畔でも、憂いに満ちた瞬時の目線に魅せられ続けたが、、
誘惑する妖艶な目力には、、己の現実を忘れて魅入ってしまう。
さり気なく 一瞬の視線、、
妖艶の一撃である。


王子の誘惑に成功するオディール
王子との愛の誓いを裏切られた 湖の畔でオデット、、、
束の間の希望から 絶望の悲しみへ、、、哀れ、、哀れ、、


愚かにも騙されたジークフリート王子と、、、再び、、希望に向かって変化していく、、

愛を勝ち取っても、、シットリと、、控えめな喜びへ、、、








上質の優雅さの心地良さ、、
真摯な情熱も、洗練された表現力のしたたかさで、鑑賞者の心の奥の同類の思い出を呼び起こす。

名演である。



■ Alla Mikhalchenko , ボリショイ , 1989/    アラ・ミハリチェンコ ボリショイバレエ

(暗)オデット             (妖艶)オディール           (希望)オデット
ミハリチェンコは細い、、が、所作は鋭く、決めの形は素晴らしい。
ユニット毎のメリハリの良さに、グイグイと引き込まれて行く。


甘い情ではなく、ストイック的に緊張感が増していく。

初めて観た時は、Black Swan に魅せられたのだが、、
2回目以降は、切なく哀れなオデットも、希望のオデットも
芯の強い秘めたる情熱故の真剣さにグイグイと引き込まれていく。












次から次へと 鋭く決まる、、
この快感が強力に印象に残り、癖になってしまった。














グリゴローヴィチ版もこの時点では Happy End だ。





■  マリインスキーとボリショイの衣装は、共に豪華なのだが、、その対比が面白い。 
マリインスキーの衣装は、 胸元は豪華に装飾されて、、足元に向かっては軽やかにシンプルのなり、脚の動きが魅力的に、、、


画像は、鮮明な マリインスキー・ロパートキナ と  ボリショイ・アレクサンドロワ のもの。

↓   マリインスキー            VS         ボリショイ      ↓
スペインの踊り      マリインスキー は全てにおいてしなやか・軽やか
 ボリショイ は  華麗だが  腰から下のシルエットが直線的
ナポリの踊り

チャルダッシュ

マズルカ


ロシアの踊り
(マリインスキーはロシア踊りは省略されているが、、単独で踊ったロパートキナの衣装)




ロシアの踊り は、独立して様々な映像がある。

魅力的なバイオリンソロを含めて、、演奏だけに注目すれば、

私の大のお気に入りの演奏は、、
← レアル劇場ガラ、、、2012年  Anastasia Kolegova (マリインスキー) である。






■ Yulia Makhalina , キーロフ , 1990/12 ,
■ Alla Mikhalchenko , ボリショイ , 1989/
の 2つを 繰り返し楽しんでいるが、、

■ ロパートキナ , マリインスキー , 2006/05  は
どうしてもシックリと来ない。 原因は、、指揮のゲルギエフだ。
ソーモアの胡桃割りでも、、全く気が乗らない。
ロパートキナも形がシュアーに決まらない。

■ アレクサンドロワ , ボリショイ , 2011/  は
心身ともに強靭なアスリートのように思えて、感情移入がし難い。


■ ザハロワ, スカラ座 は、
上品な美人+素晴らしいスタイルのザハロハは、、、
いくら感情込めて演技をしても、その美しさを超えて見えないので、
きれいだ〜! と思うだけだ。
Sleeping Beauty や DonQ なら良いのだが、、、、
スカラ座の演出に厳しさが感じられず、緊張感が希薄。

■ セミオノワ , チューリッヒ オペラ , 2009/ は
チューリッヒのセンスの悪い演出に尽きる。

■  Marie Claude Pietragalla , パリ,1992/
Marie Claude Pietragalla が重量級のメリハリでとても良い。
最初は、、奇抜な衣装で、、クレージィホースかムーランルージュの世界かと面食らったが
彼女の踊りは魅力である。       ↓




■ Agnes Letestu , パリ , 2006
同じオペラ座でも、、Agnes Letestu  は ピシッと決まらない。


■ 東京バレエ、、、予算が無い舞台は気の毒である。

■  呉正丹 Uu Zhengdan , Acrobatic China 広州

世界各国で公演しているサーカスを取り入れた白鳥の湖、、
曲芸あり、ユーモアあり、、とサービス満点なのだが、、
クラシックバレエとして楽しめる。
腕の筋肉の上で、、片足で回転、、
頭の上でも回転 (こちらは頭上に補助板を乗せてはいるが、)

侮れない人達である。





音楽やバレエの素晴らしさを、 文字で表わすのは困難であるが、、
何が良いのか、、どの部分が良いのか、何故良いのか、、と
自分なりに把握して意識しておかないと、成長しない。
と、、、なんとか挑戦したのだが、、、
締りの無い一頁となってしまった。




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