写真豊富な、のぶなが山行記
98年 8月 8日〜13日 天候=百間洞まで晴れ、11日朝雨、聖岳では晴れ、12日雨、13日下界は晴れ
コース=椹島 → 千枚岳 → 悪沢岳(東岳) → 中岳避難小屋 泊
中岳、前岳 → 荒川小屋 → 赤石岳 → 百間平 → 百間洞小屋 泊
大沢岳、中盛丸山、兎岳 → 聖岳 → 聖平小屋 泊
上河内岳 → 茶臼山 → 光岳 → 光小屋 泊
易老岳分岐 → 易老渡
所要時間=1日目、椹島発5:15 → 蕨段9:02 → 千枚小屋11:35着 → 千枚岳1:15
→ 悪沢岳3:20 → 中岳避難小屋4:35 計 10時間36分
2日目、中岳避難小屋6:10 → 赤石岳10:20着 → 百間洞小屋着13:30 計 6時間30分
3日目、百間洞山ノ家5:05 → 兎岳8:10 → 聖岳10:25着 → 聖平小屋1:15 計 7時間5分
4日目、聖平小屋4:50 → 茶臼岳7:55 → 易老岳分岐11:00 → 光小屋1:20 計 8時間31分
5日目、光小屋5:00 → 易老岳分岐6:45 → 易老渡9:30 計 4時間40分
5日分合計 37時間22分、1日平均7時間28分
≪登り標高差 2041m≫≪下り標高差 2291m≫ 一気に登る標高差は最高ではないだろうか。
主な標高≪悪沢岳3141m≫≪赤石岳3120m≫≪聖岳3013m≫≪光岳2591.1m≫
この人間世界とは遠く離れた山々は、登山口にたどり着く事自体大変なのだ。
阪急甲陽園を始発5:12に乗り、新大阪ひかり6:36.静岡着8:31
静岡鉄道バス9:53発で、畑第一ダム着13:25 (3時間32分) 超満員
ここから、東海フォレストの送迎バスで椹島まで1時間。 ¥2000だが小屋泊まりなら無料となる。
登山口までが1日がかりである。 静岡バスセンター地下には、綺麗で大きな食品センターがあり、出発前に弁当などが選り取り見取りで購入できる。 1日目は、椹島で泊まる。 綺麗な部屋から素泊まり小屋まで色々。 お金のない私は素泊まり小屋で自炊である。 ここは混まなかった。
椹島、広い。東海フォレストとは森林業会社であり、登山小屋は副業に過ぎない。 受付けは混雑 |
千枚岳への登りは樹林帯であり、たまにこのように荒川岳が見える。 蕨段まではまだまだ、この登りは覚悟がいる。 |
千枚小屋手前の駒鳥池。 登山道より10m外れた低地にあり、見過ごしてしまいそうだが、趣のある池である。 |
普通千枚小屋までが1日の行程なのだが、調子が良かったので、中岳避難小屋まで欲張った。 | 奥が最高峰悪沢岳、手前が丸山 |
塩見岳、蝙蝠岳。遥か向うが間ノ岳 |
悪沢岳の登り、もうバテバテである |
真中が中岳、右の突起が避難小屋 |
山頂には数人だけ。私は「悪沢」という名前に魅力を感じて最優先で目標にしていたのだが、一般的には赤石岳の方が人気があるようだ。 背後に北岳の山々を配した塩見岳が素晴らしく見える。 |
悪沢岳山頂からの荒川中岳 |
中岳の登りより悪沢岳の下りを見る |
中岳避難小屋。1階が食事室、2階が寝室。水はないが、カレー、ラーメン、ジュース等はあるので、重い食料はなくともよい。 赤石の避難小屋でも、牛丼、中華丼があったので、全ての山小屋で食事が可能である。 厳しい山行なので、荷は少しでも軽くしたいものだ。 宿泊者は10数人、三伏峠からきた人が多かった |
避難小屋前での日の出、富士山 |
荒川前岳を下りる頃の富士山 |
荒川前岳からの北面 |
赤石岳全景、実に雄大である。 山頂に辿り着くには、3時間半も掛かる距離が真近に見える。 左の赤石小屋のある尾根を登る人が多いのである。 私のように全部回ろうとするのは少数の部類に入る。 我ながら<よく鍛えたものだ>と感心する。 |
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小赤石の登り、向うが赤石岳 |
小赤石から振り返り北西を見る |
荒川岳、奥に北岳、右が悪沢岳 |
赤石山頂だ、赤石コルに下りて登りなおし |
雷鳥が威嚇のポーズ、 近くに子供を3羽連れている |
赤石岳山頂は、人が多い。 遥か遠くに仙丈岳 |
赤石山頂からの聖岳、 右は兎岳の頭 |
中盛丸山、大沢岳、 手前の台地が百間平 |
北側。 手前は小赤石岳 荒川岳と右に悪沢岳 |
百間平から赤石岳を振り返る。 イメージが変る。 |
百間平からの聖岳 左に覗くのが上河内岳 |
百間平からの兎岳、手前が子兎岳 さあ下って百間洞山ノ家だ |
百間洞山ノ家は快適である。 直ぐに怒る管理人であるが、とんかつは街のとんかつ屋に負けない。ゴミは棄てられる、トイレは水洗?、清水次郎長の流れの男気を感じる。 小屋の食事で美味いと思ったのは、槍岳南の南岳小屋の鶏フライとここだけか! 翌朝は、雨の中大沢岳の急登から |
兎岳山頂では晴れてきた、 登ってきた道と百間平、赤石岳 |
聖岳の登り道。 ピークが多く登っていると何度も山頂を間違いガッカリ |
V字の底に百間洞山ノ家がある |
聖岳の登り道。 山頂だと思えば、、、 |
山頂では1時間も食事休憩 |
奥の方が、奥聖岳、ここは前聖岳 聖岳だけ目指す人が多そうだ |
便ガ島への分岐からの光岳方向 明日は雨。 |
今夜は、聖平小屋泊まりである。 悪評高いヒドイ小屋である。 客を変態的に敵視している。 何もかも徹底的に攻撃的なのだ。 後日、誰に聞いても 「あそこはひどい」 の答。 茶臼小屋にすべきなのである。 翌朝は雨。 1日中雨の中。 写真も極端に減った。 疲れた! 光小屋の原田臣久管理人夫婦、雨の中やっとたどりついたら、「 お茶をどうぞ!」 涙が出るほど感激! 山小屋でこんな接待初めて! |
光岳の山頂は樹林帯。 眺望なし。 おまけにひどい風雨、光岩どころではない。 山頂に立って幻滅した初めての経験。 これ以後≪山は高くなければならない、最低2800m以上≫と思うようになった。 |
狭い光小屋。新しい小屋が建築中であった。 3時まで到着で50歳以上には食事提供。 かろうじて天ぷらの食事にありつけた。 寝る時は、ザックを頭の上に吊下げる。 避難小屋の如き狭さである。 |
長くきつい易老岳の下りの後、易老渡でパンツ一丁で水浴び。 相乗り予約のタクシーが来るまでのひと時。 私が一番早く下りてきた、脚に自信がついたのだ。 JR平岡までタクシー7人で1人¥2500円 |
5泊6日の大変な山行であった。 単独行でよくぞここまで成長したものだと、我ながら感心する。 この時53歳である。のぶながTOPへ 掲示板に参加して、感動の共有と増幅を! ≪我が登山歴へ≫
残る大きな目標は、危険とされる≪西穂高から奥穂高岳への縦走である≫ (これは翌99年に達成)
≪私の山登り観≫
『高い山に登れば地球が見えてくる』 ≪何億年の地球の営みが見えてくる、そこに居る小さな人間が見えてくる。 ホンの一瞬に生きる小さな人間、さあ!どう生きようか?≫ 単独登山はスポーツではない、人生哲学的行動である。