映画 ムッソリーニとお茶を F.ZEFFIRELLI
フランコ・ゼッフィレリ監督

感動の共有、のぶながTOPページへ フランコ・ゼッフィレッリ監督の映画 『 ムッソリーニとお茶を 』

F.Zeffirelli昨年末WOWOW放映分を録画していたものを見て、久しぶりの大人の映画に大満足。
投機商品でなく、歴史的遺産である芸術品をこよなく愛する者にとって、
懐かしく、自分と同じ精神世界にいる人が創った映画だと、しみじみとした満足感。
ゼッフィレッリと言う人の、懐の深さ、知識、その扱いの聡明さに、改めて尊敬。

流行に流されるのでなく、それぞれ信念を持って生きていく人達のお話かと思えば、
冷静な短い画面で、時代を語り、戦争を語り、
国、民族の問題を語り、
しかも、さり気なく、展開に仕掛けが隠され、、、、、、

溢れるユーモアも、観る人の深さに応じて、垣間見えるように随処に隠され、、、



ありふれた美人・美男を主人公に、チビ・デブ・ブスを脇役に据え、美人・美男がHappyになるというような、大人を馬鹿にしたようなウルトラ単純映画が感動の対象として、賞賛される世界とは、、、別世界の精神世界が、価値基準の違う世界が、存在している事に感謝、感謝。

永い体験が、広い知識が、公平な見識が必要とされる、それが無ければ、
ゼッフィレッリが組み立てたストーリー、彼が選んだ場面、彼が選んだ個性、、の真意が不確かになる。


マギー・スミス
アカデミー賞女優

シェール
アカデミー賞女優

ジョーン・プローライト
アカデミー賞女優

ジュディ・デンチ
アカデミー賞女優
007の”M”役

ベアード・ウォレス
新人


イタリア芸術遺産の何たるかを
歴史の展開の何たるかを、
個人が被る影響を
ヨーロッパにおける民族意識、民族性、
イタリア気質、イギリス気質、アメリカ気質、そしてスコットランド気質
スイス、オーストリア、ユダヤ、、
それぞれの国情 満遍なく、不足なく、的確に、さり気なく自然に組み込まれている。



すべて中味で自らの個性を現している。

中味を現すべきブランドの、ブランドラベルのみが重要で、ブランドラベルにのみ価値がつき、
ブランド名が無ければ無視されるご時勢に、、
中味だけでさり気なく構成され、
鑑賞する人の知識に応じて、手の内を知らしめる上質の映画。


改めて、フランコ・ゼッフィレッリの奥深さに、驚嘆させられた。

映画の最後の一言まで、心憎いユーモアである。


■ 脚本は、イギリス人ジョン・モーティマーゼッフィレッリとの共同執筆のようであり
イギリス人の教養、それに基づくユーモアのセンスの存在感を改めて認識させられた。

この知識を必要とするユーモアの問題は、かつて、コベントガーデンでの 『 こうもり 』 の映像のユーモアと、
「酔っ払いの失敗で笑いを採る」 ドイツの映像との比較で、取り上げたのだが
この違いを理解できるオペラファンは皆無で、指揮者のブランドの違いしか話題にされなかった。
提案した問題点の所在さえ認識されなかった。
シェークスピアの伝統を持つイギリスの演劇界、、これらが文化の差なのだろう。
出演者の魅力だけしか見えない人達の存在があるからこそ、興業が成り立っている事を思って、全ての芸術・芸能愛好家は、皆仲良し!

   のぶながTOPへ  掲示板に参加して、感動の共有と増幅を!   
    前画面へはブラウザの<戻る>で戻って下さい。