Sylvie Valayre

 2000-5-7 ミュンヘンのStaatsoper でAida を観た。 指揮は準・メルクル。
ドイツ特有の味気ない舞台装置。 真正面の3Rang だ。 馴染んだニコンの10倍双眼鏡が威力を発揮する。
いつのまにかアイーダだけを追っていた。 誰だ?名前を知らない。 若い、高音発生時の歯並びがきれい。 「いや まてよ、顔の表現力が凄いではないか。」 ドンドン惹かれていく。 双眼鏡が離せない。 歌っていない時の表情の変化も凄い、相手の歌に反応する内面の表現力が。 <LDで観たマリヤ・カラスのトスカより凄い> お待ちかねナイル川辺でのアモナズロとの場面、「やったあ、すばらしい」 もう完全に虜に。 お金の続く限り<追っかけやろうか!>休憩中に調べる、名前は Sylvie Valayre 今日の日付は間違いないか、プログラムの日付を何度も確認。

 日本に帰って早速CDを探す、当然見つからない、まだ若い。 インターネットで検索、日本では名前だけ数件発見。
海外では、すごい、37件。エジプトで歌う、行こうか! 写真があった。こんな顔だったのか! この写真が次の展開に重要だった。 シルビィ・ヴァライレと日本語読みをしていた。 シルビィ・ヴァレルの名を気に留めなかった。 ひょっとしたらとは思ったが、まさかという思いが勝った。 ところが、偶然、古い無料音楽雑誌をめくっていたら、同じ写真を見つけた。ややや!名前はシルビィ・ヴァレル 新国立劇場でトスカを歌うではないか! 早速インターネットで残り少ない席を予約、前から6列の右の端、バランス最悪。 新幹線の方が高い、海外に行くことを思えばゼロに近い。関西は田舎だ、文化的に。 東京圏で生活したい。

少し怖い。一度だけの体験。東京でのトスカでイメージが壊れないだろうか? 頼む!期待を裏切らないで!

 サンフランシスコオペラのArtist紹介
  http://www.sfopera.com/bios/bios_s-z/svalayre.htm

 

   2000-09-24  新国立劇場(東京初台)でトスカを観る
トスカが Sylvie Valayre で他は全て日本人歌手陣。指揮と演出は外人。 2幕目は、最高とは言えないが、期待を裏切らない出来。 1幕目が、化粧のせいか、目の下に大きなクマが見え、赤すぎる口紅とのバランスがとれず、冴えなかった。 2幕での表情は、カバイバンスカよりはるかに上、LDのカラスには少しだけ及ばず。<歌に生き>はうっとりするところまでは行かないが、悪くない、3幕のカバラドッシの<星は輝き>の魅力のなさにはがっかり。 「これで気持ちは治まった」
   全体の感想
手抜きなしに描き込まれた舞台装置は立派なものだ。今までの日本公演でのお粗末なイメージを変えた。常設のオペラ劇場故のコスト投入だろう。スカルピア、カバラドッシ共に欠点を言う程でもないが、声に魅力はない、お金を出して聴く気にはなれない。右端の座席のせいか、音のバランスが悪く、2階席が一部頭上に掛かっているので響きが良いとは言えなかった。やはりオペラは、ヨーロッパの華やかな内装のオペラハウスで観たいものだ。過剰なまでの彫刻・壁画・天井画・緞帳も観劇の楽しみの一部だろう。エントランスやロビーの殺風景さにも慣れたくないものだ。
   P.S.
SONYの大賀典雄氏(会長?)が夫妻で来られていた。小柄なご婦人を初めて見た。お二人のみでロビーをうろうろ、(常にお付がいるものかと思っていた) またアサヒビールの樋口広太郎氏(会長?)も。 お忙しいのだろう、日曜のマチネーでの観劇。共に新国立劇場の評議員・理事長。   伊丹→←羽田を飛行機で日帰り。新幹線より安いとは知らなかった。時代遅れの自分に気がつく。インターネットで予約程度はわかっていたのだが。東京が近くなった。ここ10年、ローマへ5〜6回、ミラノでも3回なのにTOKYOは3回なのだ。ローマ市内の方が詳しいだろう。東京は、どれがJRで営団、都営、私鉄区別がつかない、総武線て何?京急?切符は別々???京王線新宿と京王新線新宿は別で、初台に京王線は止まらない。ロッシーニのチェネレントラにそんな6重唱があった<もつれた結び目>。   秋葉原の石丸電気ソフトワン、種類が豊富で安価。東京に行くとまず、ここに来る。大阪のtower,hmv,discpia で見た事の無いCDがわんさか、今回はヘンデルのオラトリオ・オペラを6種類を購入。これでヘンデルのオラトリオ・オペラは62組となった。オラトリオは<エステル>以外全部揃っている。 今回購入の<リナルド>を聴いていると、聴きなれた歌が。サラ・ブライトマンの<私を泣かせてください>だ。