≪高天原温泉(大東新道 経由)、鷲羽岳 ≫ 登山報告
(2) 鷲羽岳 大展望

写真豊富な、のぶなが山行記 鷲羽岳から大展望、、新穂高温泉への下り

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■ コース=折立 → 太郎平小屋 → 薬師沢小屋 泊 →
            → 大東新道 → 高天原峠 → 高天原山荘 泊 →
            → 岩苔乗越 → 鷲羽岳 → 双六小屋 泊 → 新穂高温泉

05年 8月 3日〜6日  天候=晴れ

■ 所要時間=1日目=折立発7:15 → 太郎平小屋 → 薬師沢小屋4:30         計 8時間19分
   2日目=薬師沢小屋6:00 → 高天原峠11:10 → 高天原山荘12:48 (竜晶池往復1時間20分) 計7時間45分
   3日目=高天原山荘5:30 → 水晶池 → 岩苔乗越9:39 → 鷲羽岳11:36 → 双六小屋5:05 計10時間42分
   4日目=双六小屋4:55 → 鏡平小屋7:25 → 林道10:23 → 新穂高温泉12:00   計 6時間31分
                                                4日分合計 33時間17分

≪標高差 1600m(下山1800m)≫  奥穂高の標高差=2073m、悪沢岳=2041mである。
主な標高≪鷲羽岳2924m≫≪高天原山荘2100m≫≪折立1356m、新穂高温泉1100m≫


■ 鷲羽岳山頂から、、鷲羽池+クッキリ槍ヶ岳を大展望するのも今回の目的の一つ。


***********   鷲羽岳から大展望、、新穂高温泉への下り   ************

早朝、高天原を出発し岩苔乗越に着いた頃の西の大空は快晴であった。
しかし、、次第に雲が多くなる。
東の空は暗そうである。  この時点でもう、半ば諦めていた。

今までがそうだった、、、槍・穂高は早朝のみ、雲もなくクッキリ、、、
ワリモ北分岐に着いたのが10時過ぎ、、既に雲が増えている。

風が強ければ雲は流れる。
雲の切れる瞬間を待てば、チャンスはある。




黒部五郎岳と祖父岳 (ワリモ北分岐から)


既に雲が低い、、









↑ 双六岳、丸山、三俣蓮華岳、、黒部五郎岳、祖父岳、(雲の平)、薬師岳、水晶岳 ↑


↓ 双六岳、丸山、三俣蓮華岳、、黒部五郎岳、祖父岳、(雲の平)、薬師岳 ↓
そして、、黒部源流






ここまで来ると、、圧倒的に登山者は増える。

裏銀座コースの中核部だ。  文字通り銀座通りである。

登山者の質も違ってくる。


ベテランが多く大人びた面を出し合っていた高天原温泉。
数人のグループでも <個> が活き活きとしていた。


銀座通りは、10人前後のグループも多い。
若い2人連れも多い。
こう多いと、、挨拶も大変だ。

昨日は、すれ違いざまの挨拶の後には、必ず会話が続いていた。
ここはそうはいかない。  進行は停まらない。
立ち止って眺める人は少ない。
休憩!と声がかかるまで進行は停まらないようだ。



折立の登りで相前後した御夫婦に会った。
黒部五郎から周って来たらしい。
様々なコースの人が通る。



ワリモ岳への登り




ワリモ岳山頂部







ワリモ岳への登りからふり返る (北方向)
↓ 黒岳 (水晶岳) 、右に野口五郎岳への道が伸びる。 ↓






↓ ワリモ岳から鷲羽岳を見る (南方向) ↓
大きく下って、大きく登り返す。







↓ 鷲羽岳への登りからふり返る (北方向) ↓
手前にワリモ岳、、奥右に水晶岳、左手に薬師岳




山頂はもう直ぐだ。




↓ 鷲羽岳山頂 ↓


ここは360度の大展望が得られる。

槍ヶ岳も中心点だけれど、、
ここも一つの中心点だ。



↓ 鷲羽岳山頂からの大展望 ↓



*** ( 西 ) ***

丸山、三俣蓮華岳、黒部五郎岳、祖父岳
↓ 足下に黒部源流部 ↓







黒部五郎岳 拡大



そして、、、、
↓ 今回山行の目的の一つ、、槍の展望 ↓


*** ( 東 ) ***

硫黄尾根の向こうに槍ヶ岳、、、右端は双六岳

↓ 足下に鷲羽池 ↓



残念ながら、、槍ヶ岳は雲の中、、、
 『 待とう! 』   『 雲の流れるのを待とう! 』


昔、座った同じ石の上に座って待つ。

山頂は大賑わいなんだけれど、、こちら側には、、私と、もう1人
共にカメラを用意して、、待っている。  2人だけなのだ。

「 先ほどから、、待っているんだけれど、、、 」 と相棒

この人とは、、双六小屋までほぼ一緒に歩く事になった。
布団は隣同士、、、





待つ、、
昼食しながら
30分待つ


雲を見ていると、、一部は少し流れているが、、
分厚い雲全体は流れない。

どうしても、山頂は見えない。

↓ より遠くの大天井岳が微かに見える、、のに槍ヶ岳山頂は見えない。 ↓




待っても、、甲斐は無さそうである。

見切りの判断も重要である。
未練が小屋に着くのを遅らせ、夕立に会うやも知れぬ。

2人とも諦める。
三俣山荘まで下山である。 12時8分



山頂で賑やかだった人達、、
下山し始めて、鷲羽池を見て、「 ワーッ! 」 と一声
山頂では見ていなかったのだ〜!
何してたの〜? 知らなかったの〜?



*** ( 南 ) ***

↓ 樅沢岳、双六岳、丸山、三俣蓮華岳、黒部五郎岳 ↓







なだらかな山頂の双六岳、丸山

これから双六小屋まで行こう! 三俣山荘泊りではもったいない。


昔は、三俣蓮華岳+丸山+双六岳の山頂を経由したので
今回は下の巻き道を通る。



↓  鷲羽岳から三俣山荘への凄い単調な下り  ↓
ジグザクと、お花もなく、不安定な足場
1時間も要してしまった。




三俣山荘で、りんご1つ400円、、新鮮な果物は山では特に美味い。

高天原温泉で同宿の人達2組が、ここに泊まるそうな。

10分休憩して出発。
三俣蓮華への、今日最後の大きな登りだ。




キャンプ場上から、北をふり返る。

↓ 祖父岳、水晶岳(黒岳)、ワリモ岳、巨大な鷲羽岳 ↓


素晴しい大展望である。  大きな存在である。




この登りは、コバイケイソウばかりが目立つお花畑が多い。



三俣蓮華岳のカール



これから歩く巻き道、、双六小屋まで



コバイケイソウの向こうに水晶岳と鷲羽岳








これまでは一度も見せなかった槍ヶ岳山頂が、、
微かに見え出した。

こんな時間まで待っては居られなかった。
見切りをつけて良かった。

右のコルに双六山荘がある。 ↓



コバイケイソウが多いが、、
丸山と双六岳の間から流れる沢辺りでは、
トリカブト、クルマユリと少しは色めいていた。

そして、双六岳の下では、チングルマが満開、、
同じ顔を、全く同じ角度で、明るく咲き誇っている。

今までは、チングルマは、ヒゲの方が好きだった。

咲いている場所、タイミング、前後の情況、、遠くに見える背景、、
いろんな条件が重なったせいで、、
こんなにチングルマが魅力的な情景は、、今までで1番だ。



今日初めてハッキリ見えた槍、、3時15分


双六小屋に着いたのは、5時5分
相変わらずのスローペース

明日の下りを考慮すれば
少しでも下界に近づいておくべきなのだ。



中々良心的な双六小屋。
夕食の順番は、200番を超えている。
7時前の予定。

この小屋には、生ビールがある。
ジョッキ片手にベンチにでると、

薬師沢を相前後して歩いていた
高天原温泉でも、遅かったベテラン単独行が
独り生ビールを飲んでいる。
明日以降は、槍から燕、、
10日ほど山中だそうな。


私は、一人布団一枚だったが、
彼は、談話室に寝さされるらしい。


他に、高天原から相前後したオジサン2人も、、
遅れたオバサン1人は水晶小屋に行ったとの情報、、
リーダー失格、、メンバーが違う小屋に宿泊なんて!




いよいよ最終日、、新穂高温泉までの長い下りが待っている。


こんな多い宿泊者の時に、朝食を頼んだ人の多い事!
4時過ぎから、廊下の端まで並んで朝食を待っている。

歩くのに苦労する。


三俣山荘よりは安いりんごとホットカルピスで朝食とし、4時55分出発。






朝は何処でも気持ちが良い。

気分の引き締まる新鮮さは、、登山の魅力の一つ。



キャンプ場で挨拶を交わしながら
弓折岳の鏡平分岐まで、、軽い登り。

↓  笠ヶ岳が清清しい、、、 ↓



↑ 左端が抜戸岳、、刻々と見える角度が変わっていく。

↓  笠ヶ岳山頂の拡大  ↓
山小屋が確認できる。





↓  登りの途中で何度も、ふり返る  ↓
双六小屋と鷲羽岳



ここでも、折立で登っていた品の良いご夫婦と相前後する。
雲の平か黒部五郎岳経由だろう。
「 気持ち良いですねぇ! 」 と納得しあう。





突然、、東に展望が開ける。

「 オ〜ッ! 」



槍ヶ岳〜穂高〜西穂高 の大シルエット



暫く見とれてしまう。
立ち去り難い、、とは、、将に立ち去れない。

後続の人達も、立ち止って見とれている。
私だけがいつまでも見とれていた。


シルエットだけで素晴しい。
全部知っている。 歩いたのだから、、、
シルエットだから、、より感銘が深い。
観念的に認知される。


↓  大キレットの北穂小屋から飛騨泣き  ↓
先々週に下ったスリリングな場所




↓  南岳〜西穂高、、遠くに乗鞍岳、、焼岳  ↓
眼下に鏡平の小屋が見える。  前方の残雪は花見平







笠ヶ岳は頭が微かに覗いているだけ。
これからは、もう笠ヶ岳は見えない。
左端の抜戸岳だけしか見えない。

西へ伸びる稜線が美しい。







↑ 花見平を超えて下ると、鏡平へ下る分岐点である。 ↑


↓  鏡平の 槍ヶ岳を池面に映す撮影ポイントで休憩する人達 ↓
鏡平への下りから望遠で



鏡平小屋では、、待望のかき氷、、、朝7時過ぎなのにかき氷がよく売れる。


鏡平小屋からの下りは、、今までと違い、厳しい。
林道に出るまでホトンド ごつごつ岩ボコに足の置き場に気を使う。

良き展望はない。
登るグループの多い事多い事。
今日は土曜日だ。


↓  シシウド原 ↓

遙か下に、林道が見える。


この下で、奥さんがこけて顔を打ち、酷くハレて
寝かせながら、ご主人が水で濡らしているご夫婦が、、、

登りか下りかを聞くと、下りだというので、、
わさび平小屋に連絡しようか、と尋ねると
暫く様子を見る、、との事。

足場は悪い岩岩岩。 一瞬たりとも気が抜けない。

幸い、新穂高温泉で湯上り後、バス停に出ると
手当てされた奥さんに会う。
大変だったろう、、、


↑  秩父沢で休憩する人達 ↑
何故か学生さんが目に付く。


暫くして、林道に出、、一安心。

わさび平小屋で、冷麦を食し、、また林道を歩く。
双六小屋の食事に添えられていたそうめんと同じ感触。
伸びきっているのではないようだが、、何故かシャキッとしない感触。
下界に近いと評価基準も日常に戻ってくる。


笠ヶ岳からの笠新道の下山口を過ぎ、中崎橋。

林道も長い。



11時半、、新穂高に近づいても
登山者は登ってくる。




続々とやってくる。
今日の泊りはどの小屋なのだろう。
どこでも1枚の布団に何人寝るのだろうか?
アナ恐ろしヤ



  本日の下り一辺倒は、6時間31分。  無事に終了。

  着替えを出したザックでバスの順番を確保し、温泉へ。
  無料の温泉も数人だけだったけれど、、この後のバスが大変。

  高山行きが超満員。  運転手、、平湯まで我慢してください。  増便するかは平湯で判断するから、、、


  高山でJR特急に、、途中豪雨で運航停止しています。  前の特急が支えています、、、、、
   ( エッ、、下界は豪雨だったの〜、、知らなかったナ〜 )


  しかし、30分の遅れで名古屋に到着

  夕食は、大阪梅田で中華、、、、文明世界に今回も大満足。



今山行もスローペースなので、、
足の疲れは全くなし。

翌日は、元気に梅田に遊びに出る。

数日後になって足が痛むなんて事は微塵もない。
何日経っても、足は元気元気。


(1) 高天原温泉(大東新道を通って)山行記


■ ≪私の山登り観≫ ■
高い山に登れば地球が見えてくる
  何億年の地球の営みが見えてくる、そこに居る小さな人間が見えてくる。
ホンの一瞬に生きる小さな人間、さあ!どう生きようか?
 単独登山はスポーツではない、人生哲学的行動である。



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